2022/10/02
谷川連峰
L桂野、坂本
アルパインクライミング
2022/10/02(晴)
一ノ倉出合3:30 - テールリッジ取付5:00 - 一ノ倉出合 6:00
これまでで最速の撤退である。実に面目ない事態であるがアルパインはやはり常に気を張って集中が必要という事を思い知らされた。
ヒョングリの滝の懸垂点に着くが、先行パーティは2ルンゼとのこと。懸垂はスムースであった。こちらも負けじと桂野先頭で懸垂開始。しかし、肩にのせたロープが少々からみ、さばきつつの懸垂となり、少し大きめの石にひっかけて落石を起こしてしまった。
先行パーティは既に去っており問題なかったが、どうもこの石が落下しつつロープに接触したようだった。降りて坂本とロープをまとめていると坂本がロープの損傷に気づいた。確認すると末端から20m程度のところ。つまりは40mロープになってしまったわけで、暫く喧々諤々と協議。ダイレクトカンテは2Pがそもそも40mある。さらに北稜下降は空中懸垂もある。明らかに登攀不可能だ。
どうにも打開策はなさそうという事で撤退判断となった。懸垂時に落石を起こさないなど、正直常識のはずでもあるし、取付きに行けずに撤退は初でもあるのでショックでもあった。正直二人で、「こんなことがあるものか・・・・」という気持ちで呆然としたが、折角早い段階で帰るのだから一日を家族と有意義に過ごそうという事でさっさと気持ちを切り替えて帰宅した。下山時に見事なモルゲンロートを見て不思議とさっぱりした気分であったことは秘中の秘である。
記:桂野