2022/09/25
谷川岳一ノ倉沢
L桂野、坂本
クライミング
2022/09/25(晴)
02:10谷川岳インフォメーションセンター駐車場2:30 - テールリッジ 04:30 - 05:45 衝立岩中央稜取り付き 06:15 - 07:10 ダイレクトカンテ取り付き 07:30 - 08:40 1P終了点 - 12:50 2P終了点 13:10 - 14:00中央稜取り付き 14:30 - 一ノ倉沢出合い16:15 -17:15 谷川岳インフォメーションセンター駐車場
三連休は雨予報であったが、最終日の晴れ間を狙いダイレクトカンテ登攀を計画した。
24時に桂野宅を出発し深夜2時にインフォメーションセンター駐車場に到着。
満点の星空の下、駐車場は登山客と思われる車が既に何台も駐車されている。
先客を起こさないように静かに準備を整え早々に出発した。
指導センターのネット情報では、雪渓の状態が良くないためテールリッジ末端に取り付けずに引き返すパーティーが多いとのことだったが、実際には全く問題なく衝立岩中央稜の取り付きまで到着。
中央稜取り付きで小休止を取りつつハーネスとギアを準備し、念の為ロープを結びアンザイレンテラスに向けてトラバースを開始した。
アンザイレンテラスまでのトラバースには春に来た時にはなかった新しいフィックスロープが設置されている。A字ハングでの事故のレスキューの際に設置されたものだろうか。
途中の濡れて滑る笹藪に手を焼いたが、トラブルなくアンザイレンテラスへ。アンザイレンテラスから見上げる衝立岩は圧巻の迫力である。
ダイレクトカンテの取り付きまでは、衝立岩を正面に10メートルほど右へトラバースしながら下降し、計画より若干巻いて取り付きに到着。
1P目は桂野がリードで登攀を開始。1Pは5メートルほど笹藪沿いに直上し、途中の灌木で支点をとり、そのまま笹藪の中を右へトラバース。すぐに現れる草付きの凹角をバンドへ上がった。
笹藪へ入る箇所が不明瞭だったことと、支点とフィックスロープが直上するラインに垂れ下がっていたことから、そちらに導かれ右往左往したためこのピッチに1時間程時間を使ってしまった。
2P目は坂本がリードで登攀を開始。ハングに沿って左上気味に支点が続いており、迷わずそのルートを選択。
5メートルほど進んだところでブランクになる箇所があり、クリフハンガーを駆使して突破。その後も荷重をかけるとズレるハーケンや、片足の荷重だけで千切れる残置スリング。所々テクニカルなムーブが必要なフリーを交えて登る箇所など、A2 Ⅳ級にしては難しいピッチだと思いつつ慎重に進んだ。
30メートルほどロープを出してジェードルへ進み、見上げると2P終了点まで10目メートルほど残してホールドもリスもないボロボロの終了点に到着した。
ステミングで10メートルほどランナウトに耐えて登るのかと考えたが、明らかにリスクが高すぎる。
終了点にセルフビレイを取り、身を乗り出して隣のジェードルを見ると、終了点まで支点が打たれているのが見え、ここで本来のルートの左隣の間違ったルートに入ってしまったことに気づく。
最初のクリフハンガーを使った時点でおかしいと疑うべきだった。
既に1時間費やしてしまっているが、この場所から戻る以外どうすることもできないため、ボロボロのスリングを新しいものに替えて、桂野にロープを解いてもらい、懸垂下降で1P終了点まで戻る。
その後も結び目が岩の割れ目にスタックするなど、ロープの回収に手間取り更に1時間、計2時間もロスしてしまう。
焦っていては更なるミスを誘発するため、一旦休憩をとり落ち着かせつつルートを再確認し、再び坂本が登攀を開始。
先ほどの間違ったルートとは違い、正規のルートのムーブは簡単ではあるが、相変わらず朽ち果てたリングボルトやハーケンが出現するためピン抜けを考慮しながら、40メートルをエイドで進んだ。
2P終了点までに再び1時間弱ほどかけてしまい、この時点で11:50である。
フォローがスムーズに登って来られるようであればまだ明るい内に安全圏まで下山できると考えていたが、フォローの桂野も同じく1時間ほどの時間かけて登ってきたため、桂野と相談し敗退の決断を下した。
その後は2度の懸垂下降で取り付きまで戻り、ところどころ確保しながら中央稜取り付きまで戻り、大休止を挟んで下山した。
今回の山行では、衝立岩を感じることができたことが収穫であった反面、坂本・桂野ともに反省すべき点は多かったため、次回の山行に活かしていきたいと思う。
記:坂本