2022/03/26-27
八ヶ岳連峰
L加藤智、望月
雪稜バリエーション
2022/03/26(曇後雨)
9:30 美濃戸口 - 10:00 美濃戸駐車場 - 13:00 行者小屋 -14:00 赤岳鉱泉
厳冬期は逃したが、雪山シーズンのラストを飾る山行として阿弥陀北西稜を計画した。初日は行者までのアプローチとしていたが、前日までの予報でもいかんせん天候が安定せず予定が立てづらい。美濃戸に着いた時点で駐車場には車が1台のみ。11時から降り出す雨と山頂付近の暴風(毎秒40m以上)を嫌がり、登山愛好家たちは早々に冬山靴を片付けてしまったらしい。
南沢をとぼとぼと歩くと予報通り、みぞれ混じりの雨が降り出した。途中、北西稜へ向かうトレースを追って、しばらく偵察に出てみる。団子雪がアイゼンに付いて歩きにくいが、膝下くらいの積雪量でラッセルさえ厭わなければ、いけそうな感触を得る。 しかし、行者小屋に着く頃には雨でウェアはびしょ濡れとなり、気温は2℃とそれほど低いわけではないが、時折吹く風に体温を奪われて寒い。 雨は翌日3時まで降り続く予報だったため、雪の状態のコンディションの悪化を懸念し、敗退しやすい阿弥陀北陵へ行き先を変え、濡れたウェアを乾かすため宿泊も赤岳鉱泉に変更する。
2022/03/27(曇後晴)
5:30 赤岳鉱泉 - 6:30 行者小屋 - 7:30 阿弥陀北陵取り付き - 9:30 阿弥陀岳頂上 - 10:10 中岳のコル - 11:20 文三郎尾根分岐 12:20 行者小屋 13:00 赤岳鉱泉 15:00 美濃戸駐車場
翌日5時30分に出発。あたりは霧に覆われていて幻想的だが、中岳沢から北陵へ乗り移るころには霧が晴れてきて、視界が開け最高の気分。第一岩稜はフリーでこなし、第二岩稜からは2ピッチとも望月がトップで登攀。すぐに山頂に着く。
下降路に中岳沢を取るが、30mほど降ったところから、腰近くまでの踏み抜きとなり、そうそうに諦めて文三郎尾根まで登り返して下山した。途中、赤岳主稜、南峰リッジ、赤岳沢などのルートを将来の登攀目標として再確認しながら下りた。
鉱泉には今シーズンの利用最終日のアイスキャンディが辛うじて形を残し、アイスクライマーを待っていたが誰も取り付いていない。一時期の盛況を思い出すと寂しい気持となったが、シーズンの終わりとはなんでもこんなものなのかもしれない。今シーズン望月と取り組んだアイス行もこれにて本当の最後となったが、来シーズンに向けてやれることを地道にこなしながら、強くなってまた八ヶ岳に帰ってきたい。
記:加藤智