峰ノ松目沢/大同心大滝~小同心クラック継続

日程

2022/03/12-13

山域

八ヶ岳連峰

メンバー

L加藤智、宮脇、望月

目的

アイスクライミングルート

行程

2022/03/12(快晴)
10:40山のこ村 - 12:00峰の松目沢 - 14:00 F2 - 15:00峰の松目沢取り付き - 16:00鉱泉

前回、天候不良で中止した大同心大滝~小同心クラックのアイスルートを計画。
また、初日は、春の陽気が近付き、アイスクライミングシーズンの終わりが迫っていたが、ギリギリまだ氷瀑が残っていそうな場所を探して、峰ノ松目沢に向かった。

1日目は日中の気温15℃越え。美濃戸林道の雪は大分溶け、轍で悪路が続く。
無事に赤岳山荘まで来たものの、快晴の天気で登山客で賑わい、駐車場が空いていない。
仕方なく、少し降りて、やまのこ村の駐車場に停めることに。この駐車場は30-40cmくらいの雪が積もっていたが、先に3台の駐車もあったので、どうにか行けるだろうと踏んだが、スタックしてしまう。雪の上に乗り上げてしまったようで、車体の下の雪かきをしては、車を動かしてみる作業を繰り返すが、3人の力ではどうにもならない。途中、登山帰りの通行人2人の力を借りるもやはりダメ。そうこうしている内に、駐車場にもう1台の車がやってきて、そちらも見事にスタック。スタックしたもの同士で力を貸しあいましょうということになり、計6人で力を合わせて、お互いの車を押して脱出に成功。照りつける日差しの中での脱出作業で、思わぬところでいい汗をかくことになった。その後、X-TRAILが駐車しに来たので、スタックリスクを伝えたが、他に停めるところもなく、果敢に挑戦し、スタックの犠牲車がまた1台増えることとなった。

朝の準備運動(?)が終わったところで、気を取り直して、峰ノ松目沢へ。アプローチは長いが、しっかりとトレースがついているので、道迷いの心配はなかった。ただ、ここは南面で日当たりが良いため、氷結の状態が心配されたので、行けるところまで行くことに。F1は15mほどの傾斜緩い氷瀑。加藤リード、宮脇、望月の順で登る。ここは難しい氷瀑ではなく、阿弥陀岳・赤岳を望める景色もあるので、普段なら快適にアイスを楽しめそうだが、氷結が緩すぎて、ヒヤヒヤしながら登ることとなった。F2も15mほどだが、F1よりは少し立っている。ただ、氷結が悪すぎなので、右岸側のナメたところから登った。アルミのアイススクリューで中間支点を取っていたが、サードの望月が登る頃には、日差しと高い気温にやられて、スクリュー周辺の氷が溶け、スカスカに。暖かい時期はステンレススクリューが有効と思われる。F2上部はグサグサの雪、さらに沢の水も勢いよく流れ、岩が露出しているところもある。乗越のところは、カムでプロテクションを取った。これ以上、上がっていくのは危なそうなので、F2で登攀終了し懸垂で降りた(峰ノ松目沢は全部で10個の氷瀑があるらしい)。

赤岳鉱泉に到着すると、元会員の原さんとやまねのお仲間にばったり遭遇。翌日行く予定の大同心大滝に行ったとのことで、最新の氷瀑の状態を事前に入手することができた。山仲間のつながりに感謝感謝である。大同心大滝はかなり発達して、右岸側の比較的簡単なルートは快適に登れるそうだが、この日の日中に、激しい散り雪崩が発生したとのことだった。我々は、明け方に登るので雪崩の危険性は少ないだろうが、注意して行くことにした。

2022/03/13(曇)
3:30起床 - 4:50出発 - 6:00大滝7:00 - 7:45 大同心稜 - 9:00小同心クラック11:30 - 12:00横岳山頂 - 13:00大同心稜 - 16:00鉱泉 - 17:30やまのこ村下山

翌朝、大同心大滝に向かうと、ガイド山行の1パーティが取りついていた。一番簡単な右岸寄りのルートを登攀していたが、落氷が絶えず、怖そうな悲鳴を上げながら登っていたので、少し不安になる。我々のパーティも右岸から取り付き、加藤リード、中間に宮脇(マイクロトラクションで固定)を挟んで、望月の順で、大滝上部氷柱の左壁アンカーでピッチを切って、2ピッチで登った。実際登ってみると、アックスの刺さりも良く、以前登った経験もあったので、楽しいアイスクライミングとなった。大同心大滝の上には、小滝があるらしいが、雪で完全に埋もれていて、見る影なし。ひたすら雪の沢を詰めていく、ただただ苦しいコース(望月にとっては)であった。大同心稜に出たところで休憩を挟み、小同心を目指していく。トレースはしっかりと付いていたが、大同心基部~小同心のトラバースは足場悪めなので慎重に歩く。小同心は雪が全くついておらず、岩稜剥き出しの状態。アックスはしまい、ホールドを掴んで登っていく。小同心も加藤リード、中間に宮脇、望月の順で3ピッチで登る。ガバの多いルートではあるが、久々の雪稜1P目はなかなかにスリリングな気持ちにさせられた。2P目のクラックは、支点が少なく、足をかなり広げてホールドを探す必要のあるルートだという情報に基づき、敢えて、クラックではなく、クラック左側の凸角から登る。が、こちらも支点は乏しいようで(見つからなかっただけかもしれませんが)、支点探しに苦労する。3P目は出だしの小ハングを乗越すところが、少し気を使うが、それを過ぎれば、難しいところはなく、小同心の頂上にすんなり到着。この日はガスっていたので、真っ白でほとんど景色は見れなかったが、途中ガスの切れ目で足元の景色が開けると、一気に高度感が出て、怖かったので、今回はガスっていて丁度良かったかもしれない。真っ白の中、コンテで小同心から横岳を目指し、無事に山頂を踏む。下山は大同心稜に向かうが、視界が無いため、ルートが不明瞭。GPSを使いながら、下降ルート間違えないように慎重に進んでいく。懸垂下降、クライムダウンをしながら、大同心基部~小同心のトラバース上に出た。後の下山ルートは特段の危険箇所はなく、赤岳鉱泉までサクサクと降りていくだけ。

大同心大滝~小同心クラックのリベンジ山行に成功して、意気揚々と下山していくが、最後の核心がこの後待っていようとは、この時は誰も想像していなかった。スタックに苦しめられた、やまのこ村駐車場から相変わらずコンディション悪い美濃戸林道を慎重に下って行き、美濃戸登山口まであと数百メートルのところで、前方に、片側崖に落ち掛けのスタック車が。JAFの救援を呼んではいるが、2時間待ち。スタックに始まりスタックに終わる、なんともツラい山行となった。冬の山行は、本当に最後まで気が抜けない。

記:望月

過去の山行記録

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