夏沢鉱泉アイスギャラリー 醤油樽の滝

日程

2022/01/02-03

山域

八ヶ岳夏沢鉱泉

メンバー

L加藤智、望月

目的

アイスクライミング

行程

2022/01/02(晴)
10:30桜平上駐車場 - 12:00 夏沢鉱泉G3 - 13:00 F1 - 14:00 F2 - 15:00 F3 - 16:00桜平上駐車場

ヒトの脳には「これまでの安定を捨ててでも、新しいものに挑戦しよう」という「新奇探索傾向」という性質があり、遺伝子的に、ドーパミン第4受容体の遺伝子内塩基の繰り返しが多いほど「新奇探索傾向」が強く、反対にセロトニンが不足すると「損害回避傾向」が強まるという。ことアイスクライミングは新奇探索傾向の強い「アルパインクライマー」の中でも、少数派を占める特異なアクティビティに思える。
そんな、アイスクライミングに興味を持つ新奇探索傾向の強い新人望月と、今年は色々な目標に向けて毎週末課題に励んでいる。

今期4回目のアイスに選んだのは夏沢鉱泉アイスギャラリー。峰の松目を挟んで赤岳鉱泉から反対に位置する夏沢鉱泉は、赤岳鉱泉を八ヶ岳の表玄関とすれば、横から入る勝手口的な存在と決めつけていたが、桜平まで車ではいればアプローチ至近なところに夏沢鉱泉の魅力を今回再発見した。

初日は一番アプローチの短いG3に行き、F1からF3までを遡行し同ルートを懸垂下降。F1から上はトレースなしでラッセルを楽しむ?滝は8-10m程度でそれほど難しくはないが、北面のためか氷が硬くアックスが刺さるまでに一苦労する。
今後を見据えて2人でアルパインの全装備を担いで登攀をしたため、予想通りの腕のパンプ具合。しかしながら2人ともノーテンでの突破で、今までの練習の成果を感じることができた。F1取り付きまでは懸垂で降りたが、F2取付き、F2上部には残置支点や木がないため、雪の中の倒木を掘り出して工夫する。これぞアルパイン。

2022/01/03(晴)
7:30桜平下駐車場 - 8:30醤油樽の滝入り口 10:00醤油樽の滝13:30 - 15:00 桜平下駐車場

醤油樽の滝まで冬の沢登り。途中の小滝は全て雪に埋まっていて巻道を進む。雪と氷に閉ざされた冬の谷を、その日一番乗りの遡行者として歩くのは冒険心も高まって気持ちがいい。途中お化けのような変わった形の氷柱を横目に、醤油樽の滝にたどり着く。登攀の準備をしていると、1パーティやってくる。肝心の滝は例年に比べてかなりか細く、氷の向こう側に水流が見えている。相談の結果、我々は左のライン、別パーティには右ラインを登ることにする。
醤油樽の滝はロープスケール35mなので、50mx2本でTRを構築(右壁に終了点あり)。 上部1/3は雪が被っていて、バイルが氷に届いているかどうかが不安になる上、支点がとれずランナウトするところもあり、滝自体は簡単だがメンタルにはくる。 TRを各自1回ずつ登ったところで、3パーティ目がきたのでラインを譲って醤油樽を後にした。。

セロトニンが脳から溢れ出している2人。帰りの中央道でさらなる氷欠乏に陥ってしまったことは否めない。さて、次の週末はどこへ行こう。

記:加藤智

過去の山行記録