2021/12/29
中央アルプス
L桂野、榎田、宮脇
雪稜歩き
2021/12/29(晴後雪)
菅の台バスセンター9:15 - 10:10千畳敷10:40 - 11:10ザギダル尾根取りつき11:30 - 12:00千畳敷
2日間で阿弥陀北陵を予定していたが、メインとなる2日目の天気予報は壊滅的。
29日の午前はギリギリ天気がもちそうと踏んで、宝剣ザギダル尾根日帰りに予定を変更した。
文明の力を使って労せず標高2,612地点へ。この時点では晴れており、千畳敷から稜線がクリアに見えていた。が、ザギダル尾根目指して歩き始めて1時間とたたぬうちに風が強まり、粉雪が舞い出したかと思うと一瞬にしてホワイトアウト。天候悪化が予報よりだいぶ早い。岩稜取りつき手前で撤退することに。ピナクル状の岩を支点に25mだけ懸垂し、あとはすっかりトレースが消えた斜面ををズカズカ歩いてターミナルに戻った。活動時間はたったの1時間20分。アプローチにかかるお金を考えると、超高級山行となってしまった。
撤退地点から20mほど、まあまあ急な斜面を降る必要があった。「ここはクライムダウンで行ける。一刻も早くこの場を離れるべき」と桂野。「いやロープを出そう、クライムダウン中に煽られると危険だ」と榎田。
その場で自身の意見をはっきり言い、無駄に討論せず決定したことを落ち着いて遂行する先輩方は流石で、頼もしく感じた。
正解不正解は結果論になるだろう。また、どちらがよりリスクが低いかは、パーティの力量や得手不得手にもよるのだろう。
自分はその場で、どちらが良いか意見を持てなかったが、全員が桂野の意見を持てる、という状況が1番リスクが低いのかもしれない。ただ、「ここは行ける」という判断は、雪山で様々な斜面を歩いている経験がなければできない。実際自分は、「降りれそうだけど怖いな」と感じた。後に聞くと榎田もそうだったという。榎田がロープを主張したのは新人の自分がいることを考慮したこともあっただろう。
自分にとってのリスクの大小を判断すための、自分自身の経験。
パーティにとってにリスクの大小を決めるための、メンバーの力量把握、そのためのメンバーとの山行経験。
その両方が、いざという時の判断の速さに繋がり、また、より安全な選択をするために必要なのだと実感した。
短時間でしたが有意義な山行でした。
記:宮脇