瑞牆フリークライミング

日程

2021/11/03

山域

奥秩父

メンバー

加藤智、他１（宮脇、望月合流）

目的

フリークライミング

行程

ゾウリムシ　11a 加藤RP たぬき　10a 宮脇RP、望月RP 猫の手　10b 宮脇TR、望月TR トータルリコール 10b 　宮脇TR、望月TR

最近雲稜メンバーのRPが続く、縁起の良い姉御岩。自分もグレード更新をかけての課題にゾウリムシ(11a)を選んだ。今日の日をRP目標として逆算し、ムーブバラしに行く日程を調整し、ジムで仮想ゾウリムシトレーニングをしていたが、調子に乗りすぎて右手を怪我してしまった。バラし予定の日も岩のコンディションが悪かったり、怪我の影響があったりして何もできなかったが、かといって「また来年」と逃げても始まらない。手が痛くて触れなければ触れないで悔しさがバネになり、また成長できるかもしれない。そんな気持ちで臨んだ。

パートナーがムーブバラしがてらTRを張ってくれた。せっかくなので登るだけ登って自分もムーブバラし。スタートとトラバースの所さえ痛みを我慢できれば、なんとか行けそうな感触を掴む。ロキソニンを３錠飲み込んでじっくり昼寝。　パートナーが先にRPしたこともあり、気合が入りまくりのリードトライ。ほぼほぼムーブ固めができていたので無事RP。2人でグレード更新できて放心状態となり、ランチタイム後にまた昼寝を決め込む。わざわざ瑞牆まで何しに来たのかわからないがそんな日があってもいい。

14時くらいに、近隣の横尾山をハイキングしてきた新人二人が合流してきた。 無事RPしたことを告げると、開口一番 「本当に登ったんですか？？」 「・・・・」どうやら教育方法を根本的に間違えていたらしい。 真実はいつだって自分の心の中にある。と嘯きながら動画を撮っていなかったことをちょっとだけ後悔する。

残った時間で、2人を連れてコセロックで、猫の手やトータルリコールにTRを張り練習した。　日も陰り寒くなってきたので帰り支度をする。　ただ、自分自身の目標とは別に、この日望月にどうしても登ってもらいたい課題があった。モツランドのたぬき10aである。山岳会たるもの、新人初年度に瑞牆で10a を登れるようになるようコミットしたい。そんな勝手な思いがあった。先週末に一方的な山行のキャンセルをした手前、大きな借りを作っていたし、シーズンを考えると今日しかチャンスはない。季節の移ろいに押し出される前に、なんとか喜びをわかちあいたい。半ばむりやり望月にハーネスをつけさせたままモツランドに移動する。同じ目的のパーティがたぬきに取りついており、20分ほど順番待ち。その間に新人二人が差し入れとして準備してくれていた手作りアップルパイと紅茶を頬張り元気が出る。　陽は刻々と傾き、ヘッデンをつけての登攀となった。最近ランナウトでメキメキと保持力を身につけている望月は、綺麗なムーブでRP。ふと宮脇に顔を向けると、目に炎を宿している。完全に陽は落ちたので、もう時間は関係ない。下山遅れは自分が謝れば済むことだ。暗闇の壁に吸い込まれていった宮脇も無事RPで感極まった。

前言撤回。教育方法間違っていませんでした。二人ともとても良い子に育っています。

記：加藤智