2019夏合宿 穂高岳・屏風岩雲稜ルート

日程
2019/8/10-12
山域
北アルプス
メンバー
L坂本、秋山、原、篠崎、瀧濱
目的
アルパインクライミング
行程

8/10(晴)
バスターミナル 11:30-13:10 徳沢 13:30-14:10 横尾 偵察へ 14:40-16:20 横尾

朝5時半に出発したが、すでに高速道路は混み出していた。恐るべしお盆休み。

現地に着くといつも止めていた足湯のある駐車場は満車。先着した坂本カーはその先の第4駐車場に停めた。後着の原カーがついた時には第4駐車場も満車。なので、原カーはさらにその先の駐車場へ。集合は上高地バスターミナルとした。

バスターミナルで集合できたのは11時をまわっていた。

久しぶりに重量あるザックを背負い、また暑さで辛かったが素敵なビューのおかげでウキウキ楽しく歩けた。

横尾に着いたのは14時過ぎ。テントを張り足早に偵察へ向かった。

取り付きはまではわかりやすく、明瞭。

ただ渡渉が予想以上に辛かった。
靴を剥いで渡らなければならない箇所があるのだが、たいした距離では無いものの、水が以上に冷たく、足を入れた数秒後には激痛が走る。早く渡りきりたいのだけど、足元は苔でヌルヌル!急ぐことはできない。でも急がないと足がもげそう!ギェー!!数年前の梓川の渡渉を思い出した。
なんとかみんな渡りきる。

戻るには渡らないといけないのかと思うと、気が重たい。しのちゃんは完全に心が折れていた。

渡渉の対策として、沢用のネオプレーンの靴下があると良いと思った。

無事取り付きを確認し横尾へ戻る。また辛い渡渉がお待ちしている。。 帰りは程よい木の棒を装備して渡渉。
幾分楽に渡れたが、相変わらず足がもげそうなほどの痛みだった。

8/11(晴)
2:00 起床 3:00-4:30 取り付き 4:50-7:00 雲稜のルートT4 ピナクルテラス 8:20-9:30 扇岩テラス 9:40-12:00 終了点 懸垂開始 12:10-14:50 取り付き 16:20横尾

朝ごはんをササッと済ませ、いざ屏風岩へ。
しかし地獄の渡渉が待っている。。
すると僕の前を歩いていたしのちゃんが足を滑らせ派手にひっくりカエル。。不憫でならない気持ちになるのと、改めて気がひき締まり僕は無事渡ることができた。しのちゃんありがとう。。

前日に木の棒を集めておいたので、それを杖にし幾分楽に渡れた。でもやっぱり冷たさで足がもげそうになった。

先発は原、秋山。後発は瀧濱、坂本、篠崎のパーティーで登攀スタート。先行者が1パーティいた。
T4テラスまでの登攀2ピッチは快適。その後歩きのピッチがあるので、ロープをまとめる事を意識して引き上げるとよい。

そしてついに雲稜ルートの取り付き。見上げる岩壁はでっかく、これまたワクワクした。

1ピッチ目。
ルートは明瞭。しかしハング越えのところが悪い、原がモジモジ。アブミを出し越えていく。その後僕も取り付いた印象として、ここをフリーで越えるのはなかなか厳しいなと思った。

2ピッチ目。
出だしが悪いが、アブミを使えば問題ない。
快適なピッチ。

3ピッチ目。アブミのピッチ。
カンカン照りの太陽がジリジリ身体を焼き付ける。水を口に含んでもすぐに口の中はカラカラに乾く。秋山さんが登り出した後すぐに取り付いた。取り付くと当たり前だが日陰はない。身体いっぱい日光を浴びて体温は急上昇。クラクラする。。すると右手の指がつった。。少しすると左手の指がつった。。まるでフレミングの左手の法則のような感じなる。。セルフを取りながら登っていくが、辛い。時間がかかりすぎてしまう。。
直上して、ピッチを切る少し手前でトラバース。
ここぞというところにハーケンが打ってあった。

以前宇塚さんに、このルートに行きたいと話をした時、
ここぞ、ここしかない!ってところにハーケンがパシッ!打ってあるんだよ。感動するぞ!
と言っていた。この事だな。

すると坂本から、ここで撤退するとの提案がでた。正直なところ、えっ、まじ!っと思った。しかし冷静に考えると明らかに体調が悪い。
終了点につき時間を見ると時間がかかりすぎている。原と秋山と話すと2人も熱中症が怖いという。確かに僕も両方の指がつったし、うっすら耳鳴りもする。リスクを感じる。
事故なく無事皆んな降りる事が出来たのは坂本の冷静な判断からだったと思う。ありがとう。

この次のピッチを登ると、懸垂で降りるにしてもトラバースになる。

坂本、篠崎が登るのを待ち、今回はここで降りることにした。悔しかった。けども皆んな無事怪我なく降りて来れたし、降りた後も体温はさがらないし、けだるかったし、正解の判断だったと思う。後は実力不足を痛感した。

横尾に戻るなり、コーラとビールを流し込んだ。
ビール美味かったけど、いつもより苦く感じた

宇塚家族も遊びに来てくれて、一緒に夕ご飯。
大ちゃんはまたでかくなっていた。チンチン、チンチン!オッパイ。オッパイ!!を連呼して元気いっぱい。
宇塚さんはいつもの半袖半ズボンスタイル。
奥さんの差し入れのドライトマトが美味しかった。とても癒されました。
ありがとうございました。

晩酌も終わりテントに入る。
身体が火照ってなかなか寝付けなかった。なので夜な夜な外に出てタバコをふかしながら身体を冷やし、就寝。

8/11(晴)
横尾 7:30-8:30 徳沢 8:40-9:10 明神 9:20-10:00 河童橋バスターミナル

よく寝れたので疲れはとれた。夜身体を冷やしたのが良かったのかもしれない。

原は体調が戻らず、僕らと一緒に下山することに。秋山さんは残ると。

宇塚家族に挨拶して、秋山とお別れ。
秋山はニコニコして涸沢に向かう。一人涸沢に向かう秋山の背中が凄くカッコ良かった。

僕らは4人河童橋を目指した。

なんだか元気になっちゃったし、走りたくなってきた。3人を誘ってみたけど苦笑い。
なので1人恒例のダッシュ

前に、けんちゃん、岡ちゃん、長谷さんと駆け抜けた事を思い出す。この時はロマン派3、現実派1だった事もあり巻き込めたが、今回はロマン派1、現実派3だったためダメだった。

今回は悔しい山行なってしまった。
精進し、積み重ね、リベンジしたい。

記:瀧濱

T4尾根
1p 残置ハーケンを追いクラックを越えて登る。
2p 終了点を一つとばして次の終了点できるとよかった。
3p 草付きの歩きをすたすた行ける
4p 少しかぶったチムニーにお助けを残し、よいしょと越える。終了点手前にしっかりした残置ロープあり、最後はごぼうで登る。東壁取付き手前の木に終了点あり。

雲稜ルート
1p 50mロープ一杯でピナクルテラス終了点へ。途中にも終了点あるから、長く登る体力なければ切ってもいいかも。小ハングをフリーで2回トライしたが体が上がらずアブミを使用した。5.9ぐらいか?太陽ジリジリの中を50mの登りはしんどかった。
2p 出だしのフェースが細かく不安だったためアブミ使用。ロープの流れに注意。暑さと1p目までの疲労が応えて扇岩の日陰がありがたかった。
3p ボルトラダーだが、少し遠い支点には今にも切れそうな細引きがついていたり、リングボルトのリングの代わりにミニシャックル、がついていたり。ロープはフリールートのボルトに掛けながら登った。終了点手前はやさしいのでフリーで。終了点は狭いバンドにあった。

記:原