2016年10月9日 谷川岳集中 厳剛新道


日程:2016/10/9
天候:雨のち曇り(強風)
山域:谷川、西黒尾根
メンバー:L柏木、岸川、山崎、柳下、斉藤、野島、津嶋
6:40土合山の家→7:00指導センター→8:10→見晴らし台→9:10西黒尾根出合→10:22ケルン→10:25肩の小屋→11:55出発→13:05天神平

前日の一ノ倉周遊と同様の天候ならばマチガ沢東南稜の予定で、5時起床。

しかし雨。しっかりした雨である。雨のため、少しゆっくり目に用意し、結局、登攀用具を持って厳剛新道の見晴台まで登ることになった。6:40に土合山の家を出発。

雨が弱まる気配がないまま、厳剛新道へ。

新道の道は細いが、マイナスイオンが多いような気がして、気分は良い。新道の途中で柏木さんが代表に電話。雨が止まないこと、あと15分ほどで見晴台に到着すること、雨は止みそうにないが見晴台でマチガ沢入渓を判断することを伝えたようだった。

8:10見晴台到着。マチガ沢は水量が少ない沢ときいていたが、轟々と水が流れている。その景色は美しい。沢は綺麗なV字に開けている。ほんのりと紅葉しているが、薄いガスで露出は控えめである。
柏木さんの解説によると、普段は滝の幅は4分の1ほどであるそうだ。マチガ沢は次回リベンジということで、体が冷えるまえに上を目指すことになった。

新道は荒れているときいていたが、新道の上部は鎖が設置されるなど、整備されていた。
雨が降っていなければ、きっと登りやすいに違いない。雨が降っていなければだが。裏腹に、登るほどに雨脚は勢いを増していった。雨が尾根づたいを流れてゆく。ガスで視界はなくなり、無言で歩く。

9:10西黒尾根に合流。ここで初めて他の登山客がいることに気づく。雨の中、登山客は皆真顔で歩く。稜線に出ると雨は少し弱まったが、風が強くなった。行動食を摂り、わずかに身支度を整え、すぐに出発した。

だいぶ歩いたな、と思ったところでケルンのような物陰が見えて、あれがケルンか!と皆沸き立ったが、近くに行って見るとと小さな道標だった。がっかり。それほどに視界は悪かった。

ザンゲ岩を通過し、10:22ケルンに到着。歓喜に沸く一行。ケルンに触る。先日のケルンの修復跡が問題ないことを確認した。
風が強く、寒い。ここにはこれ以上いられないと即断し、肩の小屋へ。

小屋周辺は暴風。小屋の中は、風から逃れようとする登山客で一杯。カップラーメンで飛ぶように売れ盛況であった。小屋の方にコーラを届け、コーヒーなどを頂いた。

11:00頃、代表と河野さんが肩の小屋に到着。小屋内の登山客は途切れることがなく、また、30数名の団体客が来るという情報があったので、大人数で小屋に留まるのは良くないと判断し、白毛門沢、馬蹄形、西黒尾根ソロの出迎えを代表、河野さん、柏木さんにお願いし、新人と現役は天神平を目指すことになった。

肩の小屋を出たときは相変わらずの暴風であったが、標高を下げるごとに山の天気は穏やかさを取り戻した。
平和な天神平方面から谷川岳頂上方面に向かう登山客とすれ違い、これから彼らを襲うだろう暴風の試練を想像した。
天神平に近づくと紅葉が美しくなった。風もぴたりと止んだように思えた。これから寒暖差が大きくなると、もっときれいになるだろう。

13:05天神平に到着。足洗い場があって便利。跳ね返りでドロドロになった雨具を洗う。暴風でロープウェイが止まったという怪情報が流れ、一行は戦慄。しかし、実際は徐行運転であった。乗車時間40分をかけてベースプラザに到着した。

感想:
これほどの強雨で山行を決行したのは久しぶりでした。マチガ沢に入れなかったのは前日に引き続き残念でしたが、雨の降りしきる中、厳剛新道を歩いていたとき、そんなに辛く感じなかったのは、他のパーティがもっと厳しいルートを、そして厳しいコンディションでケルンを目指していることを知っているからかなあと考えていました。谷川集中以外では、たどり着けない気持ちだったと思います。柏木さん、膝が万全でない中、先導頂きありがとうございました。(記:津嶋)