中央稜取付きには6:30到着。中央稜は私たちだけだったが、中央カンテは大盛況で5パーティいたらしい。13時までに終了点につかなければ同ルート下降する計画を打合せて登攀を開始した。
リードは1~4,6,8P山﨑、5,7P原が担当。
3Pから4P目は「日本登山体系 谷川岳」を見ると2ルートあり、衝立岩正面壁側に回り込むのが快適なラインだということだが、私たちはハーケンを追ってしまい烏帽子沢奥壁側のフェイスからチムニーを登るもう一つのルートを登ってしまった。4P目は浸み出しが酷く日陰でツルツルしていてA0で足もスリングにかけてなんとかクリアすることができた。正面壁側ルートはⅤ-の核心だが、こちらはそれ以上ありそうだった。
それ以外のピッチは晴れ間の中を快適に岩登りすることができた。
終了点に着き衝立岩の頂点を見てしばし感動。終了点から踏み跡を辿りすぐの北稜下降点へ。1P目はピカピカのアンカーがあり、2P以降は立木やリングボルトにかかる残置のスリング・カラビナを使った。
1,2Pは素直に下に降りるが3,4P目は笹藪の中の踏み跡を辿り右に行く。バンドの移動は濡れた藪を少し下降しなければならないため念のため懸垂下降で移動した。最後の5P目は懸垂しながら略奪点方向にぐいぐいと歩いて行かなければ衝立スラブ側に引き込まれてしまうため注意が必要だった。
一つ沢を越えて衝立前沢に降りて流木などで荒れた沢を下っていく。原は登山靴で来たため濡れた岩に足を滑らせる。山﨑は滑らないアプローチシューズですたすたと降りていた。天候が終日よかったため、草木が色づきだした一ノ倉沢を堪能した1日になり楽しかった。ただ、次回は正面側の核心ルートを登りたいと思う。
(記 原)