谷川集中が天候悪化で釜の沢に変更となった。当日、朝は曇りながら降雨は未だであった。
西沢渓谷駐車場から歩くこと四時間程度で両門の滝。ここまで、特に楽しむべき登りは無かったが、この両門の滝の直前には釜の沢名物千畳のナメがあった。その美しさに一同大変に意気上がり、年甲斐もなく騒ぎ立てた。
ここから、いくらも歩かぬうちに幕営地着。岡曰く、四つ星相当の素晴らしい幕営適地とのことで、早速いそいそと宴会準備。沢の泊まりは素晴らしい。面倒な下界のルールから解放され真のアウトドアの一夜が過ごせる。原始の火を見つめつつ酌み交わす酒の味は格別だ。
食当は津嶋、豚の蜂蜜漬けとご飯。うまい。ガス着火に失敗し、燃え盛る火を手に文字通り右往左往した一幕も良い山行のスパイスだ。
翌朝は未明から降ってきた雨で肌寒いなかの入渓。しかし、すぐに体は火照る。途中、慎重にルートファインディングしつつ、詰めていく。私はこの詰めのルーファイが好きだ。これも山の本来持つ自由さを象徴している。
結果、最後の出合いで右か左か揉めたがイージーそうな左から詰め、実に容易く稜線へ。コブシ小屋で大休止ののち、徳ちゃん新道で下山した。途中、昨年登った鶏冠谷から上がってきたソロの女性に遭遇。なかなか珍しい。
長い下山道を下り、温泉に浸かると素晴らしい充実感が訪れた。皆さんお疲れ様でした。
(記 桂野)