昨年二度計画をして、天気にフラれ続けたチンネ左稜線を夏合宿でリベンジすることになった。
【1日目】初日、室堂に到着すると雨。天候が安定しない予報の中、まずは剱沢キャンプ場を目指す。
雨のため幸いにも気温が高くなく順調に足を進める。
途中で雨はあがり剱沢キャンプ場へ到着。余分な荷物をデポし、剱沢警備派出所で長次郎雪渓の状態を確認。
左俣・右俣ともにクラックが多数あり状況が悪いとのこと、確実性を求めて剱岳経由にて三ノ窓を目指すことにした。
しかし剱岳山頂が近づくにつれ高山病か私の体調が悪くなりペースが落ちる。
なんとか三ノ窓の下に到着するが予定よりも遅くなってしまった。早々にビバーク準備に入るが途中で雨が降ってきたりと不安定な天気。
私は体調が悪く夕食が摂れず、自分の体調と明日の天気に不安を感じながら早々に就寝した。
【2日目】一度3時に起床するが霧が濃く視界は数m先まで。坂本と相談をして様子を見ることに。
再度4時に起床。私の体調は昨日よりも良い。霧だがまずは取付きまで行ってみようと準備を始める。
すると池ノ谷ガリーからヘッドライトの明かりと共に「らーく」の声が響く。
暗闇で正確な数は分からないが数パーティーがこちらに向かってきている。同じチンネを目指しているようだ。
我々も準備を整え、三ノ窓へ上がりアイゼンを装着して雪渓のトラバースを開始。
霧のため取付きが分かりにくく少し迷ったが無事に2番目で取付きへ。
登攀準備をするが、私の体調はいまいちであったので主な箇所は坂本へリードを依頼する。
たまに浮石はあるが全体として岩はしっかりとしていた。
先行パーティーの登攀待ちもなく、登攀自体は概ねスムーズにいった。
霧のため景色は真っ白であったが核心の「鼻」を始め岩登りを楽しみチンネの頂上へ。
頂上からは懸垂3回で池ノ谷ガリーの上部へ降り、少し登り返して池ノ谷乗越へ出た。
天気もまだ持ちそうだったのと、前日に聞いた長次郎雪渓の状態を考え確実な剱岳経由での下山にした。
私の体調は戻らずペースが遅くなったうえ、別山尾根の下りでは一度派手に転んでひっくり返った亀のようになった。。。
なんとか剣山荘まで降りると高度が下がったおかげか体調もだいぶ楽になった。
剱沢キャンプ場を目指して歩いていると途中まで桂野が迎えに来てくれ、他メンバーも剱沢小屋のところで待っていてくれた。
改めて仲間の暖かさを感じた瞬間であり、非常にうれしかった。
目標であったチンネ左稜線を合宿で行かせて頂き本当にありがとうございました。
途中で体調を崩しましたが、無事に登攀できたのは坂本のおかげです。ありがとう。
(記 山崎)