2018年4月7日-8日 甲斐駒ケ岳 黒戸尾根
 


日 程 : 2018/4/7-8
山 域 : 南アルプス北部
目 的 :雪上歩行の訓練と体力の強化
メ ン バー: L桂野 瀧濱
天 気:4/7 晴れ→曇り→雪 4/8 雪
4/7
尾白渓谷駐車場09:30→ 13:20刃渡り→ 14:10刀利天狗→ 13:20五合目小屋跡→ 16:30七丈小屋
4/8
4:00起床05:30→6:15八合目御来迎場→7:30山頂7:45→9:00七丈小屋10:00→12:20刃渡り→14:10竹宇駒ヶ岳神社14:30→14:35尾白渓谷駐車場

4/7
入山直後は天候は晴れ。風は強そうだった。一日目は樹林帯なので、特に気にせず入山。
最初の尾白川渓谷に癒されたが、あっという間に景色は変化が少ない樹林帯。
汗が噴き出すが、強風の為時折樹林帯のなかでも風が入ってきて気持ちが良かった。
五合目小屋跡くらいからまぁまぁな積雪。
凍結箇所もちらほら。このあたりからアイゼンを装着。桂野は依然黒戸尾根を歩いたことがあるとのことだったが、雪山テン泊装備では2人とも初。
時間的に雪が緩んできていた事、それに加え装備が重いこともあり、バッスンバッスン深く踏み抜く。辛い。帰りたい。
黒戸尾根の洗礼を受けた。
このあたりからペースはガクンと落ちた。2人でヒーヒーいいながら七丈小屋に到着。
小屋が見えた時僕は涙が出るほどうれしかった。小屋に着くと雪がチラホラ降り出した。

小屋番にテン場の使用料を払うと、1人に対して水2リットルをくれた。ビールを購入しウキウキでテン場へ向かった。
七丈小屋のテン場は小屋から少し上がったところにある。そのテン場への道も踏み抜きがすごかった。小屋について安心して気持ちが切れたこともあり、これまたつらかった。まさに泣きっ面に蜂。後ろから、踏み抜きに苦しめられる桂野のワァー!グオォー!!とうめき声が聞こえたがこちらの疲れもピーク。無視してテン場へ向かった。
テン場にはテントは1つもない。僕らだけだ。テン場はあまり利用された形跡がなく、整地に時間がかかってしまった。

4/8
朝起きて外を確認すると、雪が降っていた。
無理はしないでやばかったら引き返そうと桂野と確認しあい山頂を目指した。
準備をしていると、小屋泊まりの3人パーティーが登っていく。話を聞くと、甲斐駒ケ岳を踏み八丁尾根で降りるとの事だった。小屋泊まりであればこのルートも是非歩いてみたい。
雪はしまっていて歩きやすかった。歩き進むと降雪が増え、次第に風も強くなってくる。とても寒い。目出し帽の口のあたりはカチンコチンに固まった。
僕の持っているカメラは、耐寒があるのだけど電源が落ちてしまう。どうやら結構寒いみたいだ。

一見歩きやすそうに見えても、降雪で隠れているが下は実は一枚板で、おっ!となる事が数回あった。怪しいところはピッケルでつついてから足をのせ慎重に歩いた。立っているところでは、溝は氷でびっしり。ホールドやスタンスが普段よりも少なくなっている感じがした。
先行パーティーと抜かれ、抜きつつ山頂へ着いた。すると雲が薄くなりはじめ青空が。なんともロマンチック!綺麗だった。温度計を見ると、-15度。

それなりに風は吹いているのでとりあえず寒い。早々に下山を開始。稜線を歩いているとドンドン風が強まる。数度突風に吹かれた。降雪もある中強い風は積もった雪をも巻き上げ目の前が真っ白になる。ホワイトアウト。雪がビシバシ当たるので目が開かない。目を開けても目の前は真っ白け。動けない。
ほんの数十秒くらいだったけど、恐ろしかった。

もしこれが数十分も続くようなことになったらと思うと。。。。

風がおさまったとこを見はからい、足早に高度を下げた。すると稜線の風が当たる所にそんなに大きくはないけど竜巻が見えた。雪を巻き上げているので形がはっきり見える。綺麗だった。高度を下げると風はおさまってきたが降雪が増える。
今回の山行の入山前に荻原が、この時期は雪による濡れには注意するようにと助言をくれていた。なので、身体に積もる雪はなるべく早く手で払う事を意識した。なので特にウエアが濡れて凍ることはなかった。これ、かなり大切な意識だと思った。下山時はほぼトレースは消えていたが、桂野と時折足を止め地形と地図を見て、確認しあい無事テン場に戻った。
テントを撤収し七丈小屋で代表の藤田にこれから下山すると一報を入れる。すると小屋番が出てきて、吹雪だっただろう!山頂踏めたか!?
と聞いてきた。
誇らしげに、バッチリ踏んできました!多分タイミングが良かったです!と伝えると、下山は降雪で氷が見えないから気をつけてな!と助言をくれた。
助言通り足を置く雪面を意識して慎重に降りた。助言どおり凍結箇所は多かった。鎖場やハシゴが多く結構神経を使った。五合目の小屋跡に着き時間を確認。慎重に降りたので結構時間はおしていた。あらためて計画書を確認。桂野にその事を告げ、安全に出来る範囲で結構ペースを上げ足早に駆け下りた。幸いなことに雪はしまっていた。数分計画をオーバーしたが無事下山。
ガッチリ桂野と握手を交わし、達成感が全身を駆け巡った。下半身はガクガクだったけども。とても良い山行になった。   (記:瀧濱)