2017年8月 夏合宿


 夏合宿は当初、槍ヶ岳集中で計画。2チームに分かれ、北鎌チーム、縦走チーム(裏銀座~表銀座)で行動し、槍ヶ岳で合流とする計画が立てられました。しかし天候が定まらず、台風や前線がかかり以下のように変更になりました。


1 北鎌チームは日月で、瑞牆方面
2 縦走チームは金曜夜出発、中房温泉~槍ヶ岳~上高地 表銀座だけの縦走 2泊3日

合宿を二つに分けるのは、いかがなものかと非常に悩みましたが、こちらでいきたいと思います。

1.瑞牆チーム

北鎌チームは、日月の瑞牆に予定変更しましたが、キャンプ道具完璧に準備してスタンバイしてたところ、昨日の昼から、どんどん悪天候に。出発直前まで、非常に悩みましたが、関東最後の砦、夏でも登れる河又に変更。
L藤田、秋山、原、桂野、宇塚の5人で行きましたが、登攀不可のビチョビチョ。からのベースキャンプに転戦。
リーダーとして全体を通して、違う判断があったのではないかと、本当に申し訳なく、情けない。
北鎌チームの夏合宿はジム1日で終了しました。    (記:藤田)



2.縦走チーム(北アルプス表銀座)

日 程 : 2017/8/12-14
山 域 : 北アルプス
目 的 : 本来は夏合宿、槍ヶ岳集中であったが、天候不良のため叶わず
メ ン バー: L岡、SL柳下、長谷、瀧濱
天 気:1日目曇り時々晴れ、2日目曇り時々晴れ、3日目曇り時々晴れ
<8/12>
04:12中房温泉登山口→04:37第1ベンチ→05:09第2ベンチ→05:32第3ベンチ → 05:57富士見ベンチ → 06:25合戦小屋06:42 → 07:33燕山荘07:45 → 07:58いるか岩 → 08:09めがね岩 → 08:15燕岳08:20 → 08:43燕山荘09:02 → 09:32蛙岩 → 09:48大下りの頭09:59 → 11:21小林喜作レリーフ → 11:27槍ヶ岳・大天井岳、常念岳分岐 → 11:48大天荘14:03 → 14:12大天井岳14:21 → 14:32大天荘泊 

<8/13>
 泊大天荘04:00 → 04:27大天井ヒュッテ04:35 → 04:58貧乏沢下降点 → 06:08赤岩岳 → 06:37ヒュッテ西岳 → 06:45西岳06:510 → 7:07ヒュッテ西岳 → 07:54水俣乗越 → 09:28ヒュッテ大槍09:57 → 10:33槍ヶ岳山荘12:04 → 12:34槍ヶ岳13:07 → 13:30槍ヶ岳山荘泊 

<8/14>
 泊槍ヶ岳山荘04:16 → 04:57播隆窟05:08 → 05:18坊主岩屋下 → 05:54槍沢・天狗原分岐05:56 → 06:19槍沢大曲り → 07:06赤沢岩小屋(ババ平) → 07:20槍沢ロッヂ → 07:47二ノ俣07:53一ノ俣 → 08:01槍見河原 → 08:32横尾 (横尾山荘)08:59 → 09:23新村橋(パノラマ分岐) → 09:32徳澤園09:44 → 09:46徳沢公衆トイレ → 10:15徳本口(徳本峠分岐)10:16 → 10:21明神館10:30 → 10:57河童橋点 



まず、コロコロ変わる天候によりギリギリまで山行計画の調整にあたってくれた、それぞれのパーティリーダー、藤田、岡に感謝します。

<8/12>
お盆の混雑を避けるため移動は、電車、バス、タクシーを利用。
初日は早目に穂高駅へ行き、駅近くの物陰で就寝。3時に予約していたタクシーに乗り込み中房温泉まで移動。暗い中歩きはじめた。
早目の行動を心がけた事で山にまで来ての渋滞には巻き込まれることはなく燕山荘に到着。

着くと稜線はガスで真っ白け。景色を楽しむには想像力が必要そうだ。
柳下、長谷、瀧濱は燕岳のピークを踏みに行くが、岡は燕山荘のケーキセットを楽しみにしていたようで、行ってらっしゃい!と僕らを送り出した。
僕はピークは無理をして踏む必要はないとは思うが、基本はピークを踏むべきだと考えている。

燕岳へ向け歩き出すと、みるみるガスが晴れピークに着く頃には素晴らしい景色を僕らに見せてくれた。高山植物の女王と言われているコマクサも綺麗に花を咲かせている。
燕山荘へ戻るとケーキセットを楽しんで満足顔の岡が手を振っている。合流し、本日の目的地大天荘を目指す。

今回の縦走の最終目的地の槍ヶ岳は残念ながら、雲の中。しかし、山の稜線が雲をつかまえて、稜線からパックリ半分が真っ白なっているその様相はとても神秘的で、かつ力強く美しかった。
なだらかな稜線。目の前に広がる素晴らしい景色。表銀座との異名を持つルート。納得だ。
特に問題もなく大天荘に着いた。
テン場も空いていて一等地を確保。昼ご飯を食べのんびりごろごろ。さて、そろそろ大天井岳行こうかね。
というと、昼飯で腹の膨れた岡がウトウトしながら、行ってらっしゃい。。と言ってる。。

柳下、長谷、瀧濱の3人でピークへ。戻ると岡はスヤスヤ寝ていた。
みんなもそれぞれ昼寝。17時頃から食事。食事を済ませると、だんだん気温が落ちてきて肌寒い。

19時にはテントに入り就寝。だけどしっかり昼寝をしたからいまいち寝つけない。
もぞもぞしていると、岡も同じようでもぞもぞしている。しっかり昼寝しちゃうのもなかなか問題だ。柳下と長谷は寝ていた。すると岡が外へ出る。戻ってくると、凄い星空だという。

岡に誘われ外へ出ると、今までそこそこ凄い星空見たと思っていたけど、その想像を超える星空だった。また、ちょうどペルセイユ流星群が来ていたようで、流れ星がビュンビュン。その中には尾をひくような大きなものもあった。北斗七星はこれまで見たこともないような巨大さ。おじさん2人でボーッと星空を眺めた。

去年の夏合宿の剱岳八ツ峰上半部縦走の時、熊の岩でビバークした時もそう。素晴らしい星空だった。あの時は一抹の不安を抱えながらだったけども。

今回は一般道の気楽な縦走。先人たちが切り開いた跡を、多くの人が先人の足跡を踏み、多くの人が汗水垂らし、多くの人がそこそこ気軽に足を運べるようになった。
その苦労の上に、僕らは今リラックスしてこの驚きの自然を眺め全身で感じる事ができる。感謝しかない。ただしっかり整備された登山道は前回の夏合宿で感じたゾクゾク、ワクワク、脳みそがグニャグニャなって、グイグイ集中して行くあの感覚はほぼ無い。一般登山道ばかり歩いていた僕は、前回のバリエーションルートでさえそれを感じた。

そんな事を思うと開拓期を支えたOBの方達がやっていた山登りは本当に羨ましく思う。
ただ、その時代に自分がいたとして、十二分にリスクを背負う事は出来たのだろうか。それでも山のもつ未知に対してへ向かっていく情熱をもてたか。それはまだ今の僕には解らない。でも事務所で聞く萩原OBの現役時代の話は、えっ!って思うような話もある。犠牲も多分にあった事だろうと思う。それでも仲間と力を合わせ、山へと向かった昔話をする萩原OBの顔は時折寂しそうな顔はあるけども、キラキラしていて素直に羨ましい。そんな事を考え夜空を眺めタバコをふかしてていたら身体が冷えきってしまった。山での油断は禁物だ。テントへ戻り就寝。


<8/13>
暗いうちから歩きはじめる。
早朝のため雲は低い。前日見えなかった目標の槍ヶ岳は朝日と共に真っ赤に染まり、僕らに美しい姿を見せてくれる。これだから山登りは、やめられない。
西岳の分岐に着き、さてピーク踏みに行くかとなると岡は、ちょっとこの先のルート見直しておくよ。行ってらっしゃい!とそそくさとヒュッテ西岳へ。
柳下、長谷、瀧濱でザックをデポし西岳のピークを踏みに行った。

西岳のピークからの眺望は素晴らしいものだった。今後このルートを歩く機会がある人は是非踏んでほしいと思う。景色を眺めていると、面白い現象。雲がうっすら虹色に染まっているのだ。ヒュッテ西岳へ戻り、岡にこの事を伝えると、この現象は彩雲というらしい。この彩雲。見た人には幸せが訪れると言われているらしい。と教えてくれた。

歩をすすめ、折角稼いだ高度を東鎌尾根で下げ最後の登り返し。今まで遠くから見ていてちょこんと尖って可愛らしく見えていた槍ヶ岳だったが、近くで見ると威圧感を感じる。

槍ヶ岳山荘に着くと、ものすごい人で賑わっていた。テン場はなんと残り1つ。午前中に着けば問題ないと思っていたがびっくりだ。恐るべしお盆。

ホッと肩を撫で下ろし、テントを設営し槍ヶ岳へ。
山頂まではまるでテーマパークのような行列。これじゃあいろいろ台無しだと思ったが、ピークを踏んだら素直に嬉しかった。時折青空は見えるものの眺望は無いに等しかった。岡にとっては今回の縦走で最初で最後となるピークを踏んだ。往復には1時間以上かかった。

そして宴会中そろそろもう少しみんなでお近づきになろうと、長谷には長谷の長をとりチョーさん、お金が大好きな岡にはチム岡さん改め新たに、おかねぴーというあだ名がついた。


<8/14>
3日目も暗いうちから歩きだした。下山はすれ違いに苦労した。
横尾からあまりにも暇なので、走っちゃう?と柳下に嗾けると柳下はすんなり走り出した。えぇ~っと言っていた岡も、柳下と僕が走り出すとついてくる。わたし歩きますよ。と言っていた長谷も走り出す。

柳下と走り終わった後って待っていると岡と長谷が現れた。
息きれぎれ、顔を真っ赤にして汗だくの長谷が、走るのって気持ちいいですね。と言っていた。

下山後上高地アルペンホテルで温泉に入る。
※1人600円、11時から12時の間は入れない。温泉は人数制限があり順番となる。

ホテルから河童橋へ戻るのはつまらないので、先にも橋があるだろうと梓川沿いを歩くが一向に橋は現れない。
河童橋まで戻るのは面倒なので、水深の浅いとこを探し渡渉。水温はかなり低くい。僕と長谷はサンダルがないため素足。今回の山行で一番厳しいものになった。梓川の渡渉はオススメできない。

バス停へ行くとものすごい人だった。
11時に下山したのに、バスに乗れたのは16時を過ぎていた。上高地に下りる場合は、まずバスのチケットを買うことをオススメする。
思い返すとこの山行は、終始笑顔の絶えない楽しいものであった。     (記 瀧濱)