2017年3月18日-20日 戸隠山P1尾根


日程:2017年3月18日(土)~20日(月)
場所:戸隠山P1尾根
メンバー:L秋山、SL渡辺、野水、岸川
3月18日(土)駐車場8:30 - 12:00天狗原 - 13:30幕営
3月19日(日)4:30起床6:00 - 9:00蟻の戸渡り - 10:00トンネル - 10:40敗退- 15:20幕営地
3月20日(月)幕営地6:20 - 9:50駐車場

1日目 3月18日(土)
奥社の駐車場に止めて歩き出す。クロスカントリーのコースを1時間弱ほど歩くと、林道に合流。
ここでワカンを着け、林道を横切り沢沿いに降りていく。しばらく川を右手にして下り、途中から樹林帯のトラバースとなる。トレースはない。
雪が柔らかく傾斜がありワカンをうまくさばけない。谷側に足が取られ私は苦戦。トラバースが終わると右の川に向かって下り、徒渉。
徒渉が終わると急登が始まる。この辺で2名の1パーティと出会い、先行してもらう。彼らのおかげでステップはあるが、ステップに足をおいても、崩れるところがあり、トレースがなければ相当つらいだろうなと思った。
それほど距離はなく、ひと登りで天狗原というほぼ真っ平らな場所に出る。
ここからのP1尾根の眺望がすばらしい。
ほぼ平行の登りを30分程度歩き、また急登が始まる。雪質は変わらない。柔らかく深い。ワカンで登り続ける。望岳台まで登り1本取り、この先からテントを張れる場所を意識しながら登る。あまり登りすぎると今日中に張れる適所がなさそうだ。
13時半、1444メートル地点ちょうど良い場所がありそこで張ることとした。先行パーティは、さらに上に登ったようだ。
寝る前19時、テントの外に出たら、上から下ってくる二人のヘッドライトが見えた。こんな時間に??先行パーティが引き返してきたのだろうか?違った。聞くと、ダイレクト尾根を登ってP1を下ってきたという。20代とみえる男2人。これから下山するのか聞くと、考え中とのこと。

2日目 3月19日(日)
4時頃、テントを打つ雪の音で目が覚める。数センチの積雪。支度をしているうちに止んだ。風はない。
アイゼンで20分ほど登ると、先行パーティのテントが張ってあった。そこから10分程度登ると、鎖場が現れた。鎖はほとんど出ていない。ここを過ぎると雪壁が出始める。ピッケル1本の私は、ところどころ秋山さんや野水さんに1本借りて、2本で登る。
雪は締まっている箇所や笹の上に雪がのっているだけのところや、足をかけると崩れてしまうところなど、様々。木登りもある。
ピッケルを刺すも雪が崩れてしまうところもあり、緊張が絶えない。その後、開けた雪壁のところでロープを出す。トレースはある。ビレーするのにちょうどよい木もある。一旦ロープを片付けさらに雪壁を登ると、1本取るのに良い少し平らなところに出る。
そこで、先行パーティが下ってきた。今日はとても条件(雪、天候など)がいいですねと会話を交わす。そこからロープを出して2~3メートル下に降りて同じ距離を登り返すと、蟻の戸渡り手前につく。蟻の戸渡りは、雪がしっかりのっていて、幅もあり、怖さはない。雪が無い時期の方が怖そうだ。蟻の戸渡りを終えると、4メートル程度の岩が少し出ているルンゼっぽくなったところを登り、その先に、左上する雪のトンネルが現れた。
トンネルの長さは1メートル強程度だが、狭くザックを背負っては登れない。ザックは引き上げることとし、秋山さんがトップで登った。次に渡辺三さんが登る。トンネル入口の足がかりは、二人が登るにつれ、どんどん崩れていく。そこで時間切れとなり、敗退することとした。
トンネルから上は、このルートで一番立っていると思われる雪壁を数十メートル登り、最後はピークから張り出している雪庇の切れ目に向かってさらに雪壁を登れば、ピークに到達する感じだった。(標高差にして100メートル程)
下りは、木を支点に5ピッチほど懸垂をして下り、一旦ロープを片付け、鎖場のところはフィックスを張りながら、テントに戻ってきた。この日は、天気がよく視界も良好だったため懸垂で降りる方角がわかり易かったが、もしガスっていたり、吹雪いていたら、竹竿などで目印をたてていないと、降りていく方角がわからなくなりそうだ。

3日目 3月20日(月)
アイゼンで歩きだす。ところどころ踏み抜く。徒渉を終えたところでワカンに履き替えトラバース地点まで樹林帯を登る。1日目のトラバースでは雪が柔らかく足が谷側へ取られていたが、この日は、雪が締まってトレースもあり、緊張はするが難なくワカンでトラバースできる。あっと言う間にクロスカントリーのコースまで帰ってきた。参道のところでワカンをはずして、終了。

私にとっては、初めて経験する斜度の雪壁もあり、みんなに勇気づけられ指導いただいたおかげでなんとか落ちることなく登ることができた。下を見れば吸い込まれそうな恐怖と、今にも雪崩れそうな雪面が目に入り緊張の連続だったが、周りを見渡せば素晴らしい戸隠の眺望にとても感動した。非常に楽しい3日間だった。                  (記:岸川)