2016年9月3日-4日 会山行 谷川岳湯檜曽川本谷


日程:2016/09/3-4(前夜泊)
山域:谷川岳湯檜曽川本谷
目的:沢中泊、沢登り技術の向上
メンバー:L秋山、SL浦、SL野島、岸川、長谷、岡、山崎、桂野、柳下、津嶋 計10名
<9/2(金)>
21:45山崎号新宿東口集合、22:00岡号国分寺南口集合→23:20上里SA集合→24:30道の駅水上

<9/3(土)>天候:晴れのち曇り
4:30起床→5:30道の駅発→5:45土合橋着→5:55土合橋発→7:00巡視小屋(小休止10分)→8:00武能沢入渓地点→8:30遡行開始→9:00うなぎ淵→9:45十字峡→10:10抱き返りの滝下(小休止10分)→10:20~10:50抱き返りの滝登攀→11:40七ツ小屋沢→14:10~14:55大滝登攀→(小休止15分)→16:10二股着

<9/4(日)>天候:曇り
5:10起床→6:35二股発→7:55草付き斜面下河原(小休止10分)→8:55ヤブとガレ場の分岐→9:40朝日岳山頂(大休止35分)→10:15下山開始→11:00笠ヶ岳山頂→11:45白毛門山頂(小休止10分)→13:05 1180m地点(小休止10分)→14:15土合橋駐車場

<9/3(土)>天候:晴れのち曇り
4:30起床。まだ薄暗い。リーダー秋山さんから、土合駐車場に着いてすぐに出発できるように道の駅で支度をするように指示があった。
5:45土合橋着。車は結構たくさんあったが駐車スペースに若干の余裕があった。岡号のハッチバックが開かなくなるという一悶着が発生。出発は5:55となる。
武能沢まで2時間のアプローチ。3年前までは車で入れたという道が、橋ごと土砂で埋まっていた。また、アプローチの登山道の山側から水がチョロチョロと流れてきており、翌日雨が降った場合、清水峠からエスケーブする道がもしかしたら危険になるかも、という話をしていた。朝から湿気が多く暑いが、これくらい暑くないと沢で寒いだろうと複雑な気持ちでひたすら歩く。武能沢を越え、S字を歩き(時間にすると2分くらい?)、右側に踏み跡を見つける。無事、魚止めの滝の上の入渓地点へ。
入渓。奥多摩と違って、沢が明るく、気持ちも晴れやかになると、天気も次第に晴れに。最初の小さな滝でトップの浦さんが右岸から取り付くが、結局胸まで浸かっていたのを見て、後続は全員泳ぐ。最初からずぶ濡れ。
うなぎ淵に到着。これまでになく下調べをしてきた私に取っては、ネットで散々見たものの現物をみて若干興奮。しかし、増水している。うなぎ淵は水が胸まである。桂野さんと柳下さんが率先してうなぎとなり、約20メートルのうなぎ淵を完泳。しかし水流に戻されており、左岸を歩いた方が断然早い。
そのあともひたすら美しい渓流が続く。十字峡は日差しをたっぷり浴びて、沢全体が輝いていた。今年見た景色で一番綺麗かもしれない。
10:20最初の難関がやってきた。抱き返りの滝である。浦さんがリードで登り、確保。後続がプルージックなどを使って登る。思ったより簡単に登れた。10人が登るのにおよそ30分を要した。
12:30本山行の最大の試練がやってくる。8m程度の滝を、右から巻こうとしていた。トップが浦さん、セカンドが岡さん。足場が悪い巻道を上がり、草付きをトラバース。浦さんが滝上のハーケンで支点を構築し、岡さんが二つの20mのロープを繋いで中継の支点を確保し、足場が悪い巻道の上部で待機。サードの長谷が登ろうとしたところ、落石が発生し、一つの石が野島さんのヘルメットを直撃。また、もう一つの石が桂野さんのヘルメットを直撃。(後で野島さんに聞いたところ、タンコブができているとのこと)幸い大事に至らなかったようだが、巻道を登る際には、下部にいるものは、安全な場所で待機するようにしたい。また、登攀者が落石が発生する可能性を察知した場合は、登攀者が下部にいるものに落石を警告することが大切と思われた。
14:10 大滝登攀。水に濡れることを避けられない登攀。水を浴びながら階段状に下段を左上し、上段は左側ルンゼをロープを張って登り、草付きと木の間をトラバースした。

<9/4(日)>天候:曇り
二股を出発し、中程度の滝を一つか二つ越えたところで、秋山さんからの指示で、トップを野島、山崎、柳下の三人で取った。沢の上部にいくに従って、ルートを見極めるのが難しくなる。枯れた左沢に入りそうになったり、8:55に出会った沢とガレ場の分岐で、ヤブ状態の沢ではなく、ガレ場を登ることを選択。しかし、落石のリスクを考慮して一人一人登ったり、または2、3人で固まって登ったりする必要があったため、正解はチョロチョロと水が流れるヤブを歩くことであったことがわかった。ガレ場のあとはヤブに合流し、朝日岳頂上付近まで40分程度のヤブと格闘した。
9:45に登頂。頂上の展望はなかった。下りは桂野さんと津嶋が交代でトップを取った。いざ下山となって、どっちに進んで良いのかすぐに分からず混乱。集団行動のときは、出発の少し前には地図とコンパスを確認してルートを確認しなければならないと学習した。
白毛門から下り始めたところでぱらっと雨を感じたが、終盤は日も差して暑くなった。
14:15下山。湯テルメにより、ファミリーマートで会計をして解散とした。

感想:
今年は沢に行きたいと思っていたがなかなか行けなかったが、湯檜曽の美渓に行けて満足だった。
ただし、近々の山行の中では危険を感じる場面が多かった。例えば、落石に関しても、二人がヘルメットを脱帽していたら死の危険があった。 落石以外にも、自分はフェルトの靴だったが、たびたび乾燥したスラブのうえで滑っていた。抱き返りの滝でも少し滑らせた。高巻きの草付きでも滑った。高巻いているときに草付きで滑らせて滑落すると大変なので、常に草を手でつかんでおくなどが大切だと感じた。手袋を忘れることもあってはならないと心底痛感した。正直、個人山行の葛葉川本谷のときは私は手袋を持っていっていなかった(反省)。思い返すと春合宿ではスパッツ(ゲイター)の代わりに普段着のスパッツを持ってくるひともいた。次に入ってくる新人の安全を確保するには、持ち物に対する気配りが命を守ることにつながると思う。
また、集団行動についても、いま一度引き締めが必要。二日目の朝起きたときに、当日何時に出発するかを確認するべし。できれば前日に確認しておく。
長くなりましたが、沢の遡行スピードを上げるためにはお助けひもをバンバン使って良いのではないか。大切なことは、1秒でも安全に早く登ること。日が傾いてくると体が冷えるし、ビバークするところも限られる。     (記:津島)