2016年7月2日 吾妻連峰 前川大滝沢


日時:平成28(2016)年7月2日(土)
場所:吾妻連峰 前川大滝沢
メンバー:渡辺(三)、前田、秋山、岸川、浦、岡、山崎、坂本、瀧濱
21:00国分寺→22:50佐野SA23:00→26:00峠駅27:00就寝

05:00起床→峠駅05:20→05:35滑川温泉駐車場06:00→12:00登山道12:30→13:40展望台13:55→14:30滑川温泉駐車場15:30→18:10那須高原SA解散

気温19℃ 沢22℃

峠駅に着いたのは26:00。現在は使われていないシェルター内に車を停め、6テン1つ設営。みんなで明日の山行について話す。2人車中泊、3人ごろ寝、4人テント

5:00起床
天気は曇り
予報ではお昼頃に雨が降るかも知れない。ただ、滑川大滝沢は、登山道と並行しているため、いざとなれば、逃げれる。
峠駅を5:20にでて、15分ほどで滑川温泉駐車場近くの駐車スペースへ着いた。
駐車スペースには、僕ら以外の車はない。ここには3、4台の車が停めれる感じだった。

滑川橋の脇から入渓。
感覚的だが、水はそこそこあったように思うが、怖さを感じるようなものではなかった。入渓までのアプローチは良い。
入渓して少し歩き出すと、山崎さん、瀧濱が足を滑らす事が多かった。
今回の装備で、フェルトの靴を履いていたのは山崎さんと瀧濱。その他のメンバーはラバー。歩き方の問題はあるにせよ、ソールの素材の違いはあるのではないか。

そして2段の15m滝。トップを歩いていた浦さんが木をつかみ、一段上がる。その後を歩いていた岡さんは、木を使わずトラバース気味に岩に張り付き上がる。がドボン。ヌルヌルした苔で滑ったよう。茶色っぽい苔だった。
それを見てたわたくしは浦さんと同じように木を使い上がった。仲間の失敗から学ぶ事も大切だと思うのだ。
その他のメンバーは、比較的なだらかに上がれる巻道を使い上がった。

滝を一段上がりると、歩きやすい。が、やはりここでも、山崎さん瀧濱が滑る。フェルトの靴をひと思いに投げ捨てたい気持ちになったが、そうゆうわけにはいかない。しょうがない。面で歩くよう心がけフリクションを意識して慎重に上がる。

そして、4つの小ぶりな滝を超え、7mの滝を超えると滑。この地の名称にもなっている滑。その名前に恥じない、広く明るい滑を歩く。岩は赤茶に染まっていた。
鉄分が水多く含まれると、このように赤茶に岩が染まるのだと言う。そしてこういった水にはイワナが住み着かないということをOBの方に教えていただいた。

自然の創り出す造形は、いつも想像を超えてくる。沢はまだ数度しか入ったことしかない。だけど毎回沢には特にそういった美が多い。

さらに2本小ぶりな滝を超えると、ザーッと水が上から落ちる音が大きくなってきた。前を見るととんでもなくでかい滝が目に飛び込んできた。

前川大滝に着いた。

近づけば近づくほどその滝のでかさを身をもって感じる。
その滝の全貌が目に入った時、身体全身の力が抜けるくらいに圧倒された。

あまりにも雄大で、流れ落ちる水の轟音、怖さの中にある美しさ。
自然に対して本当に謙虚な気持ちになった。

心の底から感動したのと共に、この機会を与えたてくれたOBの方、雲稜会への感謝の気持ちが滝の水と同じくらいに降りそそいだ。

メンバーもみな感動していたようで滝を見つめている。

滝の下に入り見上げた景色は、これまた凄かった。目にバンバン水が入って見えないし、息もできないしだったが、チラチラ目に映る、巨大な岩壁から流れ落ちてくる水が見える景色はたまらないものがあった。本当に来て良かった。
と、ここでハッとした。これもし上から岩や木が落ちてきたらアウトでは。。
すぐさま、岩に張り付きそそくさ退散した。
あまりにも素晴らしい景色を見ていて、冷静さを失ってしまっていた。反省だ。

この滝、びっくりしたのだが、登攀された記録があるらしいのだ。
どうやってやったんだろう。人口登攀の技術もつけたいと思った。

そして左から巻道を上ることになった。巻道は足元も緩く登り辛い。

途中落ちたらアウトの悪いトラバースがあった。そこは途中先行メンバーが木を支点として、しっかりとフィックスを張ってくれた。ここは以前滑落し亡くなった方がいるようなのだ。無事高巻きをクリアし、沢に戻れた時ホッとした。

その後は2回ロープ出した。1度は腰絡み、もう1度はFIXを張った。

FIXを張った場所で山崎さんが足を滑らせ岩から剥がれてしまった。けどプルージックでバックアップをとっていたおかげでしっかりと止まる。落ちた時に岩でなのかロープでなのかはわからないが、手を切ってしまった。
ただその怪我は軽いもので、舐めていれば止まりそうなものだったのでホッとした。

後はそれぞれメンバーが自分でチャレンジをしながら沢を上る。1箇所、トラバースから、バッと片足を逆壁につき登攀する箇所があった。

ラバーの靴を履いたメンバーはそそくさと登り、私の番。

フェルトの靴は小さなホールドに乗るのが本当に大変だった。足先にグーっと力を入れ、踏ん張るというか、押し付けて止める。そこは足に小さいホールドしかなく、かなり苦労した。

前回教わった草付きを駆使してなんとか少しづつ歩を進める。またもやひと思いに靴を投げ捨てたいと思ったが、それはできない。しょうがない。苦戦していて、ふと上を見るとニヤニヤしながらカメラを構えているメンバーがいる。
もちろんここは失敗して落ちたとしてもずぶ濡れになるだけ。
エンターテイメントがどうゆう事がという事はわかっているが、ここは期待を裏切り絶対落ちないで行くぞと決め、なんとかクリア。

残念そうなメンバーの顔を見て、してやったりと思った。

後もう1つチャレンジをした。
小さな滝でマントルを返し滝の真ん中を登ってみた。以前沢に連れて行っていただいた時に挑戦しようとしたのだが、落ちたら危ないとこだった。今回は、小さい滝だし、ダメなら1段クライムダウンすれば逃げれる。落ちても下は水。
一段登りマントルを返すとこにつき、リップを探るとやはりホールドはない。薄く苔も付いている。
爪と服で擦り苔を落とし、さらに探ると薄くシワがあった。次に沢に入る際は、タワシをハーネスにつけて行こうと思う。

そのシワに指をかけ、止まることを確認し、指に三分の一くらい体重をかけ、肘、膝、胸と上半身のフリクション全て使いズルズルと体重を上へ移す。安定して上る事ができた。

また今回の山行で気づいた事は、乾いた岩のもろさ。

1度ホールドが、ポコっと外れてドボンしてしまった。力をかける前に確認したつもりだったが、甘かった。
チェックしたつもりだったが、持つ際は、いろんな方向に力をかけてもっと入念に確認する必要があると強く感じた。

沢はこうした自己のチャレンジをして、安全に技術を上げる事ができる。ロープワークやルートファインディング、チームワーク。沢の魅力に引き込まれています。

そして、支流の本数を確認しながら今自分たちがどの辺りにいるのかを確認しながら先に進む。

途中に温泉が湧いている箇所があった。確かに歩いていて硫黄が香っていた。そこを見ると下から水が湧いていて、周りは真っ白になっている。秋山さんが見つけ触ってみな。暖かいよ。というので触ってみると、、、暖かい。地球は凄なと感動した。
だが、その後グローブにべっとりと着いた白い、いわゆる湯の花の塊は激臭だった。。

そして無事登山道へぶつかり下山へ。

登山道へぶつかり安心したが、滑川温泉のところにある吊り橋が通行止めになった事で、あまり人が入っていないよう。
藪漕ぎをしいられた。メンバー全員無事下山となり、滑川温泉で身体を癒し帰路となった。

今回の山行で改めて思ったのは、確実にステップアップさせていただいていることを肌で感じることができているという事です。わたくしを含め新人メンバー全員レベルアップできているのではと思います。とてもスムーズに歩くことができました。

今回の沢山行を計画していただいた渡辺(三)さん、前田さん、秋山さんのそういった我々新人への配慮をとても強く感じました。誠にありがとうございます。とてもいい経験ができました。精進してまいりますので、引き続きご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。      (記:瀧濱)

   
  峠の駅でテントを張って仮眠 
   
 滑川温泉下の駐車場 入渓地点