メンバー : L衣斐 加藤
日程 : 2014年7月19日~21日
7月19日(土)晴
新千歳空港8:00 新冠町9:35 新冠ダム上部車止め11:35~12:00
奥新冠ダム(あと2Km地点)15:50 新冠ポロシリ山荘16:35
7月20日(日)晴
新冠ポロシリ山荘4:20 二股5:00 見晴台6:05 お花畑7:10 合流地点8:05 幌尻岳頂上8:10~40 お花畑9:10 見晴台9:55 二股10:40
新冠ポロシリ山荘11:25~12:30 新冠ダム上部車止め17:15~30
新冠ダム堰堤上18:30 新冠温泉レコードの湯19:30~20:30 新冠町判官館森林公園キャンプ場21:00
7月21日(月)晴
新冠町判官館森林公園キャンプ場8:30 静内アイヌ民俗資料館9:00~11:20 新冠温泉(昼食)12:00~13:00 サラブレット記念館13:30 新千歳レンタカー返却15:30 新千歳空港16:00
7月19日
新千歳空港にて衣斐と落ち合い、レンタカーにて日高地方の新冠町へと向かう。北海道のさわやかな風に吹かれてのドライブは最高だ。草原と海と空のコントラストが素晴らしい。
新冠町からサラブレット銀座通りを新冠ダムへ目指す。名前が示すようにサラブレットを育成する牧場が延々広々と続き、サラブレットが肩を寄せ合ってのんびり草を食んでいる。目指す幌尻岳は霞んでいてよくわからない。途中から砂利道となり運転に苦労し時間がかかる。ひたすら新冠川沿いを走り、新冠ダムの堰堤を渡りダム左岸を走る。工事用のトラックや何台か乗用車とも出会う。新冠ダムの最奥部にイドンナップ山荘があり、車止めのゲートがある。既に車は20台位止めてある。これからが恐怖の19Kmの林道歩きだ。
車止めにて支度し、いよいよ出発だ。熊との遭遇が怖いので、ザックには鈴を付け、ホイッスルを時折甲高く響かせる。車道なので歩きやすい。いこい橋上には、ご丁寧な回転式ゲートがある。歩行者以外を通さない工夫のようだ。しかしマウンテインバイクをゲート下から通しているようだ。途中バイク登山者と出会う。19Km対策を考えているようだ。
緩い登りと下りを繰り返しながら、ひたすら林道を歩く。途中にはポロシリ山荘まで15Km、10Km、5Km、2Kmとの標識がある。これらで休憩を入れ一息つく。最後2Kmは急な登り坂があり長く、如何にも熊が出そうなところでびくびくであった。ポロシリ山荘が見えたときはさすがにホッとした。山荘には、釣り人数人を含め24~5人はいただろうか。年間数パーティしか入らないとの事前情報とは異なって盛況であった。外で夕食の準備をしていると、釣り人より本日釣り上げたというイワナとニジマスのまるまる一匹づつの刺身をわさび醤油とともに頂いた。歯ごたえがありこりこりして美味だった。小屋の中でも2階の場所を少し開けてもらって、二人ともシュラフを拡げることができた。
7月20日
早朝3時半に起床し、食事の準備をした。釣り人以外は同様に準備が始まる。食事後4時20分に小屋を出発した。我々が最初となってしまった。この時未整備な登山道について考えがなく、雨具などは付けずに出発したのが失敗であった。歩いてすぐにズボンと靴が濡れてしまい、靴下まで浸透したようで後々足裏にマメを作る要因となってしまった。二股までには、笹と大きな蕗に覆われた登山道をかき分けながら進む。草刈をしてほしいところだ。
なお、二股までは、小さな沢を横切るだけで渡渉の必要はない。従って渓流靴の必要もない。
二股より先はいよいよ急登が始まる。やはり熊との遭遇が怖いので、ホイッスルを鳴らしながら進む。見晴台の到着あたりから回りにも陽が当たり始め、暑さが迫ってくる。樹林の中を登っていくとやがて谷筋へと向かい、上部にわずかな残雪を抱く沢を横切る。
この上部にお花畑がある。雪が解けるのを待ってようやく咲いたであろう高山植物が咲き乱れている。視界も良くなり、イドンナップ岳や新冠富士、更には三角形の美しいカムイエクウチカウシ山等も望め、眼下に奥新冠湖も深々とした水をたたえているのが望める。もうすぐだと気合を入れ登り始まる、大岩の脇を通り過ぎると人の声がする。額平ルートとの合流はすぐであった。ここより稜線歩きを少しすると、目指す幌尻岳頂上に着いた。衣斐と握手し記念撮影、そして360度の景色を記憶できるようにと思いながら楽しむ。頂上から熊がたくさん徘徊しているという七つ池は望めない。
頂上で過ごしたわずかな時間を惜しみながら、早々に下山にかかる。登ってきた同じルートを下る。ストックを使いながらの急な下りをひたすら降りる。ポロシリ山荘に昼前に到着した。
昼食後、本日中に19Kmを下山し新冠町まで降りることにする。帰りも往き同様に各ポイントで休憩を入れながら、だだひたすらの歩きである。車止めに着く少し前に通り雨に降られたが何とか無事に車止めに到着した。
少し夕方になりかけた砂利道を車で引き返す。走り始めて10分位のところで、突然、黒い物体が車の前10m位のところ右方向から左方向へと道路を斜め方向へ走り出したのに出くわした。熊だ。胴体だけで1m位、頭、手足を伸ばしたら2m位はあろうか。まだ若そうであった。車のスピードを緩め、様子を伺いながら、無事に通り過ぎた。最後の最後で見てしまった。幸運というべきかどうかわからないが、やはりいるんだなというのが実感である。この後、キツネ2頭、シカ2頭、ライチョウに似た鳥数匹と出会う。夕方の道は危険なようだ。新冠町に到着後、新冠温泉レコードの湯に入り、キャンプ場で祝杯を挙げて、苦しくも楽しかった1日を締めくくった。
7月21日
日高地方の観光名所を巡った後新千歳空港にて衣斐と別れ、本山行は終了した。
出発点(新冠ダム上部車止め) | またもゲート(いこい橋の上) |
うんざりする長い林道 | 休憩(10Kmポイント付近 ) |
あと少しだ | 着いた(新冠ポロシリ山荘 ) |
外で夕食(ニジマスとイワナの刺身を頂く) | お花畑より、イドンナップ岳、新冠富士、奥新冠ダム湖を望む |
遠くカムイエクウチカウシ山を望む | 幌尻岳頂上 |
戸蔦別岳、十勝岳・大雪山方向を望む | 新冠町からサラブレット牧場、遠く日高山脈を望む |